その場で示談はしない
ヤクザなお兄さんが昔から使う手段の一つ。
「いたたぁ~・・・まぁええわ。とりあえずこの念書にサインしてくれんか」
こうして言われるがままに、被害は全て賠償しますという【全額賠償の念書】にサインしてしまう。
恐いお兄さんが乗っている高級車にぶつけてしまった、いかにも威圧的だし、下手したら殺されるかも知れないという恐怖感。
ただでさえ交通事故を起こしてしまって動揺しているところに、威圧的な態度で「ここにサインしとけば今回は許してやる」と言われるわけです。
その負い目と恐怖心から抜け出したい思いから、
「はっ、はい・・・っ」
とサインしてしまうのも無理からぬことでしょう。
でもこれがその人の人生を180度変えてしまうことになってしまいます。
今まで幸せだった人生が一転して、地獄の人生の始まりです。
毎月何十万円も何百万円も相手に支払い続けることになり、親族や友人から借りたお金だけでは全く足りず、消費者金融から借りたお金は利子が膨らんでしまい、果ては闇金からも借りてどうしようもなくなって、夜逃げか自殺するしかないというパターンです。
そうです、とてもよく聞く話ですね。
絶対にその場で示談してはいけないのです。(口約束だけでもダメ)
では、もし全額賠償の示談書を既に書いてしまったとしたら、どう対処すれば良いのでしょうか?
先ほど、夜逃げか自殺するしかないというパターンが多いと書きましたが、実際には裁判に持ち込むと何でもかんでも全額賠償というのはおかしい、これくらいが妥当でしょうという判決が出たりします。
つまり念書を書いてしまった場合の対処法は弁護士に相談することです。
今のところこれ以上の策は無いように思います。
(警察は民事不介入のため、相談するだけ時間の無駄です)