事情聴取には気をつける
事故後、警察署内にて事情聴取が行われます。実況見分調書(起訴・不起訴を問わず謄写可)や供述調書(起訴の場合のみ謄写可)を作成するためです。
警察官は手書きのメモや交通事故現場見取図などを前に置いてあなたに実情を聞きながら、その場で調書を作成してゆきます。
(警察官がパソコンで何かカタカタと入力していると思いますが、それが調書です)
その調書が作成し終わると一旦読み聞かされるのですが、ここ、要注意です。
場合によっては加害者の言い分と被害者の言い分が食い違うことがあります。
警察はそのずれを嫌がるため、警察側が勝手に結論を誘導してくることが多いのです。
「事実はこうだったはずだ」と決めつけて調書を作成してしまうのです。
これは気をつけなければなりません。実際には起こってもいないことを起こったとされてしまうのですから。
「え?私そんなこと言いましたっけ?」
と思わず驚いて身を乗り出してしまうような事実が作られてしまっているかも知れないのです。このように、警察官が事実を捏造するなんてことは日常茶飯事です。
警察についてあまり馴染みのない方にとっては驚くような事実ですが、この業界に少しでも馴染みのある方であれば、「あ~、確かにそーいうのはよくある」と納得されることでしょう。
そうです、そもそも警察は別にあなたの味方ではないのです。自分たちの仕事の効率を一番に優先させたいのです。
気の弱い方、人の良い方などは警察官に「こうだったんでしょ?こういうことですよね?」と言われると、「・・・何かちょっと違う気もするけど。・・・まぁいいか」と思いがちで、結果的に何でもかんでも「はい」で済ませてしまいます。
ですがそれをやってしまうと、後に受け取れる損害賠償金の額が大きく減ってしまいかねません。
警察官がいろいろとあなたに聞いてくると思いますが、質問に対して的確に答えるよう最大限努力し、違うことは違う、わからないことはわからないとキッパリと言う勇気が大事です。
とにかく警察を信用してはいけない
また、訂正を申し出たからといって気を抜くのは早計です。
「さきほどは○○○と言いましたが、実は×××です。」 このように一旦はそのように言ったかのような記載になっている場合があり、あなたが嘘をついていたけどバレたから急に供述をひるがえした、と捉えられかねない表現になっていることもあるからです。
「これは本当は○○○だけど、慌てて×××と言ったのでは・・・?」
こんな疑われるような信憑性の薄い調書にされても困りますので、間違った書き方がなされていないかどうか、注意深く聞いておいて下さい。 (警察官は自分が間違っていた事にしたくないので、人のせいにするのです)
読み上げられた調書の内容に特に間違いが無ければ、印鑑(無ければ親指か人差し指の拇印)を押して終了となります。これで調書の完成です。
相手に厳しい処罰を求めるか、それともできるだけ罰を軽くしてやるかを選ぶ
なお、相手側に重い処罰を求めたいと思っているか、それともできるだけ軽くしたいと考えているか、この時に聞かれます。
重い処罰は刑事処分、比較的軽い処罰は行政処分となります。
刑事処分まで行くか、行政処分だけで済ませるか。相手側の態度を考慮した上で判断しましょう。