MRI検査を実施する
治療開始から1~2ヶ月後、担当の医師にMRI検査を受けたいと申し出ましょう。
MRI検査は神経に異常があるかどうかを調べるものです。
もしもこのMRI検査で異常があると認められた場合には、通常であればほぼ間違いなく12級13号に認定されます。
ですがむち打ち患者の場合、このMRI検査で異常が発見されることは大変少ないのです。
そもそもMRIとは微細な神経の障害を全て発見できる機械ではありません。
MRIの磁力の大きさを表す単位をテスラと言いますが、このテスラの数値が高ければ高いほど鮮明な画像が撮影できます。
1.5テスラのMRIと3テスラのMRIとの違い
MRIには主に1.5テスラと3テスラの2つがあります。
日本では1.5テスラのMRIが多く、比較的大きな病院には3テスラのMRIが置いてあるといった感じでしょうか。
ただ、一概に3テスラのMRIが1.5テスラよりも特段優れている、というわけではありません。
詳細に写りすぎて、かえって受傷部分の特定がしにくくなることもあるからです。
1.5テスラのMRIを好んで使用している放射線技師も多いと聞きます。
一方、3テスラのMRIを使用したおかげで受傷部分を特定することができた例も数多くあります。
このように1.5テスラ、3テスラのMRIにはそれぞれに一長一短があります。
ですから「あそこの病院のMRIは1.5テスラらしいから辞めておこう」などと危惧する必要は全くありません。
どのみち放射線技師のスキル次第で見つかるものも見つからなかったりしますし、この点においては運もあります。
それほどに微細な神経症状の原因をMRIで発見することは非常に困難なことなのです。
ですがだからといってMRI検査を受けなくて良いわけではありません。
必要な検査を怠ってしまうと、それだけで後遺障害に認定されなかったり、不当に賠償金を下げられてしまう要因にもなりかねないからです。
必ず、検査は受けておくようにしましょう。
MRI検査を行うにあたっての注意事項
MRI検査はあなたが寝そべっている状態のまま大きな輪の中に入れられ、「グォングォングォン・・・」といった轟音が鳴り響く中、一切手足を動かさないように努める必要があります。(予め耳栓を渡されます)
そのままの姿勢を30分~1時間ほど保ち続けなければなりません。
また、大きな輪の中では信じられないほどの強力な磁力が発生しています。
うっかり金属でも持ち込もうものなら目を背けたくなるほどの大惨事になってしまいます。ですから以下に該当する方は検査前に必ず医師に申し出る必要があります。(そして大抵は断られます)
- ・からだの中に金属が入っている可能性のある方
- ・入れ墨(金属が含まれています)のある方
- ・アレルギー、喘息、腎疾患、閉所恐怖症のある方
- ・妊娠中・妊娠の可能性のある方
- ・過去に同様の検査で問題のあった方
輪の中は意外に狭く圧迫感があるため、大きな音とあいまって恐怖を覚える人もいます。閉所恐怖症の方にはツライかもしれません。
逆にわくわくして楽しんだり、リラックスできて眠ってしまった人もいますので、こればかりは人によります。(筆者はグッスリ熟睡してしまって、目覚めた際に「やばい、寝てる間に動いてしまったかも」と焦った経験があります)