むちうちなら星状神経節ブロック注射をする
治療開始から4~5ヶ月後、依然として神経症状に悩まされているようであれば、担当の医師に星状神経節ブロック注射を受けたいと申し出ましょう。
この手の注射は通常、ペインクリニックで打ってもらうことになります。
整形外科でも打ってもらえるのですが、よっぽど有名で評判の良い整形外科でも無い限り不安が残ります。
というのも、整形外科のお医者さんは基本は骨折やケガを専門で診ているわけです。
このような神経と隣り合わせの箇所にピンポイントでかつ的確に注射を打ち込むという芸当は、やはりペインクリニックのような専門がいるところにお願いしたいものです。
ですので担当の医者にペインクリニックへの紹介状を書いてもらうのが良いでしょう。
星状神経節ブロック注射は痛い場所の神経の近くに薬(局所麻酔)を注射することで、一時的に神経の興奮を抑え(ブロック)、血行を良くして痛みや緊張を和らげます。
その結果、広がった血管を通して酸素やたんぱく質などの栄養を効率よく運ぶことができるようになり、自然治癒力を高め、痛んだ神経や筋肉を効果的に回復させることができるようになる、というわけです。
むち打ちの場合は、仰向けの状態で首(喉元)に真上から垂直に注射をする形になります。
これは実際にやってみるとわかるのですが、結構な恐怖心を伴います。
針が刺さっている間は、ツバを飲み込んだり声を出したりしてはいけない、という条件も余計に緊張させる要因の1つです。
ただ、注射自体は10数秒で終わりますので、一旦始まってしまえばどうということはありません。
約30分ほどそのままベッドの上で休めば治療終了です。
首に麻酔を打つ都合上、しばらくの間は声を出しにくい状態になりますが、1~2時間もすれば元に戻ります。
(まぶたが重くなったり鼻で息がし難くなったりもしますが、同様にしばらくすれば治ります)
なお、上手な医者と下手な医者とで効果にかなり大きな差がでます。
上手な医者は注射針を一発で効果的なポイントまで差し込みますが、下手な医者は神経を傷つけることを恐れて手前のポイントまでで止めてしまいがちです。
そうすると上手な医者に打たれた場合は効果が2週間以上も持つのに対し、下手な医者に打たれた場合は効果が3日~1週間もすれば消えてしまいます。
できるだけ評判の良い病院に行きたいところです。
ただし、2~3回ほど受けても特に効果が無いようであれば、それ以上無理に受ける必要はありません。
その場合でも、後遺障害診断書に「星状神経節ブロック注射をうった」という旨は必ず記載してもらって下さい。
星状神経節ブロック注射を打っていない場合と比べて、より後遺障害に認定されやすくなります。