過失割合は保険会社に都合良く提示される
交通事故が起きた際、どちらがどれくらい悪いかを示すものを過失割合と言いますが、これは通常であれば保険会社が勝手に決めてきます。
それもあなたにとって必ず良い結果になるとは限りません。
場合によってはものすごく悪い結果になることもあります。
例をあげると、
「車で直進していたら急に横から別の車が飛び出してきて、自分の車の腹にぶつかってきた」
という状況だったのに過失割合が自分4:相手6だった、といった具合です。(ホントは40:60のように合計が100で表されます)
「過失割合がこっち4:相手6!?こっちは全く悪くないのに!?」
あなたは大声をあげて保険会社の担当者に抗議します。しかしどれだけ声を荒げても、過失割合は4:6で動かないの一点張り。
何度も何度も抗議するも、結局どうすることもできないので泣き寝入りせざるを得なくなる。このような話は日常茶飯事です。
保険会社は自社に有利になるように過失割合を決めてくる。腐敗した交通事故業界ではもはや常識。
あなたがどれだけ文句を言おうとも保険会社は譲りません。そんな文句を言われることなんて慣れっこです。
もしそれで変えてしまったら保険会社の担当社員が「お前、なにやってんだ」と上司から怒られてしまう。
だから文句をいくら言ったところで変わらないのです。
正確には、過失割合を変えないように保険会社の社員が努力しているのです。
では、どのようにすれば理不尽な過失割合を正すことができるのでしょうか?
過失割合を決めるカギとなる「判例タイムズ」
そこで満を持して登場するのが判例タイムズです。
過失割合は通常、判例タイムズ(民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準)という本を参考にすることで決められています。
株式会社判例タイムズ社が販売しているもので、誰にでも購入することが可能です。
この本は交通事故のパターン別に様々な事例が掲載されており、自分の事故のパターンと一番近いものを探していきます。そしてその事故のパターンに類似しているものを見つけたら、その場合の過失割合を把握することができるのです。
「今回の事故はこのパターンだから・・・・・あぁ、過失割合はこれくらいかぁ」
という具合です。
あくまで参考にするもので、100%この通りに過失割合が決定するわけではありませんが、裁判所でさえもこの本を参考にしており、その有効性は確かです。
これがあれば先ほどの理不尽な例である過失割合「自分4:相手6」が次のように覆ります。
「そうですか、私4:相手6ですか。ところでそれは判例タイムズの何ページ目に掲載されていますか?」
「まさか御社独自の判断で過失割合を決めていたのですか?違いますよね、判例タイムズを参考にしているんですよね?では何ページ目のどれを参考にしたのか、お教え下さい。今、手元に最新版の判例タイムズを置いてますので」
これでいいのです。急に保険会社が慌て始めます。
この本さえあれば保険会社があなたにどんな嘘をつこうとも、あなたには通用しなくなります。
例え保険会社が強引に「当社の基準ではそうなるんです!」と訴えてきたとしても、裁判所でさえ参考にするこの本を差し置いてそのような理屈は通りません。
ただし交通事故のパターンは千差万別で、必ずしも判例タイムズに掲載されているパターンにあなたの事故と全く同じものが載っているとは限りません。
とはいえ、似たような事故なら載っているはずです。保険会社と交渉する際には役に立つでしょう。
なお、示談の際に交通事故紛争処理センターを利用、もしくは弁護士に依頼する予定があるのならわざわざこの本を購入する必要はありません。
交通事故紛争処理センターもあなたが依頼する弁護士も、既に最新版の判例タイムズを持っているでしょうから。